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特集記事

サザナミインコさんの信頼関係改善トレーニング

サザナミインコさんの個別相談をお受けしたので、そのご紹介です。

ご紹介の前に・・・

私には、西の事務局長、東の事務局長と呼ばせていただいている方がいて(勝手にそう呼ばせていただいています)、どちらも、とてもありがたいことに私の活動を応援してくださっています。本当に感謝をしてもしきれないくらいです。

今回、サザナミインコさんの個別相談をお受けすることになりましたが、飼い主さんは東京在住の方です。こうなると、オンライン上でのご相談しか方法がなくなるのですが、これまで、オンライン上でもご相談を受けて、あれこれ試してはみたものの、対面式と比べると、私が受け取れる情報量と、飼い主さんに伝えられる情報量にどうしても限りがあることから、なかなか難しいなと感じていました。

そこで、今回は、東の事務局長が、飼い主さんのご自宅にお伺いし、トレーナーがオンラインを通じてご提案をする方法を試してみることにしました。東の事務局長は、世界中を飛び回るお仕事をしていらっしゃる方なのですが、たまたま、いいタイミングで日本にいてくださったので実現できました。

まずは、飼い主さんからいただいた最初のお問合せから抜粋↓

サザナミインコさんの飼い主さんより:

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今年5月18日にお迎えしたサザナミインコのことで悩んでおり、こちらのページに出会って、メッセージ送らせていただきます。 ここ25年ほど、ゴールデンレトリバー、トイプードルなど、犬を飼っておりまして、老齢のため、今年3月に最後の犬を看取り、また、母も亡くなったりして、気持ちがとても落ち込んで寂しい気持ちでおりました。 またいつかきっと犬を飼うだろうと漠然と思っていたところ、ゴールデンウィークに遊びに行った先のショッピングモール内のペットショップで、このインコに出会いました。 色々な想いもあり、とても心を惹かれて、でも、インコは飼ったことも飼おうと思ったこともなかったので、いったんその日は帰りました。 しばらく、インコについて調べたり、鳥グッズのお店に行って相談したり、サザナミインコのブリーダーさんに連絡して相談してみたり、色々考えた結果、約3週間後にペットショップに電話をしてみたら、まだ売れずに残っているとのことだったので、決心して、再びそのお店に行き、迎えてきました。 2月生まれ、性別不明。クリーム色で、名前は「ふわり」です。

犬に慣れているので、気持ち的にはすぐにでも慣れて懐いて欲しい気持ちでいっぱいでしたが、ゆっくりゆっくり…勉強していたので、注意深く接しているつもりなのですが、今現在、全く懐いておらず、カゴに近づくとハジの方に逃げたり、おやつを手からあげていて、食べていても突然叫んで指を噛まれたり、わたしもビビってしまい、なかなかうまくコミュニケーションがとれない状況です。

家族は、主人と娘と3人です。主人やわたしが深夜までリビングにいることが多いので、普段はリビングのケージで過ごし、夜娘が寝るタイミングで寝室の小さなケージに移動します。 そのとき、捕まえるのに一苦労ですが、主人が捕まえると大人しくなり、その時、3人で少し頭を撫でたりしています。 大人しく、撫でられています。 また、毎日主人が帰ってきて娘が寝るまでの約30分くらい、放鳥しています。 カゴから出すとか、手を入れて捕まえようとすると怒って逃げ回るので、ケージの扉を開けておくと、しばらくして飛び立ちます。 そして、しばらく飛び回ったあと、ドライパインのおやつを指に乗せてテーブルに誘うと、恐る恐る近寄ってきて、恐る恐る指から食べてくれることもあります。 でも、突然怒ったり、噛まれたりもして、触ることもNGです。ツンデレな性格も可愛いのですが、もっと仲良くなりたい、ふわりにも、家族がいるという安心感を感じさせてあげたい…と思っているのですが、私たち家族と、ふわりがもっともっと仲良くなれる方法はありますでしょうか? 私たちは東京在住なのですが、柴田さんのアドバイスを受けることはできますでしょうか?

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以上です。

そして、ご相談当日、トレーナーはZOOMを利用してオンライン上でご相談を受け、現場には、東の事務局長が行っていただくことに。

ZOOMという機能は便利ですが、画像が粗いことから、鳥さんの細かい動きや視線の動きまではうまく読み取れないことが、オンラインでの相談を難しくしているのですが、現場にトレーニングを知っている人がいてくれると、「今、こんな様子です」というのを細かく描写してくれるので、本当にやりやすいことが判りました。また、飼い主さんにも、私が伝えたいことを、東の事務局長が実際にその場で動きで解説してくれるので、飼い主さんも混乱がないと思いました。

ご相談当日の最初の印象としては・・・

●最初のお問合せメールでいただいた状況から推測していた状況よりも、全然、いい方だと感じました。飼い主さんが、サザナミインコさんに近づいても逃げる行動や怯える行動は見せなかったことと、その日、初めて会う東の事務局長が近づいても同様に落ち着いていられる様子を確認。

●飼い主さんも鳥さんと暮らすのは初めてであり、サザナミインコさんの方も人と暮らすのは初めてで、お互いどうやって接していいか分からない状態であること。

●お互いの接し方が分かれば、信頼関係はすぐに回復して、築けること。

を、画面を通じて感じました。

まずお伝えしたことは、鳥さんは犬とは異なる生き物であることをご理解いただき、鳥さんとの接し方を実際に知っていただくことを、第一の目標とさせていただきました。

現在のサザナミインコさんの状態をスタートラインとして、以下のことをお提案し、実践していただきました。

●ケージ越しで、声掛けをし、ご褒美をあげる:

 ご褒美をあげる時は、一旦差し出したら、手を動かさないこと。10秒ほど待っても受け取りに来なかったら、一旦、ご褒美は引いて、2~3秒してから、もう一度、ご褒美を差し出す。それでも受け取ってくれなかったら、エサ入れに入れて、飼い主さんはその場を立ち去る。

●捕まえる行為は鳥さんにとって恐怖心を与えてしまうので、捕まえることはしない。(飼い主さんは、ご相談を受ける前に、すでにこの行為は止めたとおっしゃっていました)

●放鳥時間は、ケージの扉を開けて、鳥さんが出てくるまで待つ。ご相談当日は、どのくらいの時間でケージから出て来てくれるかと思っていましたが、ヨイショヨイショと、短時間でケージの扉まで出て来てくれました。

●最初のトレーニングとして、ふわりちゃんがケージの扉(観音開きタイプではなく、扉を(飼い主さんから見て)手前に倒すタイプの扉)の上にいる時に、ご褒美に対する反応を観たかったので、その位置でご褒美をあげてもらいました。

●問題なく、ご褒美を受け取ってくれたので、鳥さんから少し離れた位置にご褒美を差し出して、おいでをしてもらいました。すると、ご褒美の方まで移動して受け取ってくれました。

●飼い主さんには、ご褒美のサイズとしては、一口で食べられるくらいのサイズにしてもらうようにしました。すぐに食べ切ることで、鳥さんとしては、「もっと!」という意志が芽生え、飼い主さんの手からご褒美をあげると言う行為の回数が増えることによって、「人の手って、怖くないね!おいしい、嬉しいものがでてくるね!」という経験を増やしていけるからです。

●食のバラエティーを広めてほしいことから、これまで試したことがないというエンバクや色付きペレット(主食としてではなく、たまのおやつ程度として)を試していただきました。最初は、くわえてもペッと吐きだしていましたが、最終的に食べてくれました。

●ここまででも上出来でしたが、サザナミインコさんの様子から、もう一息頑張れるのではないかと判断し、手にステップアップしてもらう練習もしてみることにしました。手の甲を上にして、ケージの扉と同じ高さに差し出して、ご褒美を見せます。少しずつ、手に鳥さんが足をかけなければご褒美に届かない位置に、ご褒美を差し出すようにします。最初は、爪が少しかかる(⇒ご褒美)ところから、指1本が手の甲にのって(⇒ご褒美)、片足がのって(⇒ご褒美)、その片足に重心が移って(⇒ご褒美)、最終的には両足がのる(⇒ご褒美)、でもすぐに手は動かさない、という風に少しずつ少しずつのステップを踏んでいきました。すると、ついに手にのってくれました!これには、飼い主さんも大喜びのご様子でした。

今回のご相談は、以上となりました。

あとは、無理なく、鳥さんの様子を観察しながらトレーニングを継続していただくことにしました。ご相談中に、何度かサザナミインコさんが「ギャッギャッ」という声を出した時に、飼い主さんとしては怒っていると思われていたようですが、怒っているのではなく、単なる鳴き声であるパターンと、今のは怒っている時の声であるということをお伝えしました。怒っているのは、鳥さんなりに理由があるので、その直前の状況(飼い主さんの行動や周りの状況)を観察すると、理由が見えてくる場合がるということを告げました。(時々、理由が見えてこない時もありますが。)これを受けて、飼い主さんとしては、今までどうして怒っているか分からないし、怖かったということでしたが、謎が解けたという感じで、安心されたご様子でした。

その日、初めて会った東の事務局長の肩にとまったりもしてくれて、羨ましかったです。

そして、ご相談からおよそ一週間後に、飼い主さんからいただいたご報告のメールです。

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こんにちは。

柴田さんと野中さん(東の事務局長)に、ふわりと私たち家族を見ていただいてから、一週間が経ちました。

柴田さんにトレーニングしていただいて、

ふわりと私たちの毎日が、劇的に変化した気がします!

一番は…不安な気持ち…ふわりに嫌われているんだな、この先ずっと仲良くなれないのかな、娘もふわりを怖がったままなのかな…

そんな不安がずっとあったのですが、それが消え去ったこと。

ちゃんと気持ちは通じるんだなって、ココロを通わせることはできるんだって、希望を持って前向きな気持ちになれたことがとても大きいです◟̆◞̆♡

実際、あれから毎日、夜の放鳥タイムは、まず、ケージの入り口を開けて、すると、ふわりは、おやつ待ってました!

とばかりに、すぐに出てくるので、入り口に腕を寄せて、もう片方の手でおやつをもって、腕に乗ってくるように誘っています。

必ず、腕に乗ってきてくれます。

主人や、娘もやってみて、同じようにできるようになりました。

でもまだ、恐る恐る…感はあります。

その後、腕に乗せたままテーブルに移動して、テーブルの上でもっとおやつをあげたり、移動に失敗して飛んでしまったら、テーブルでおやつを準備して、おいでおいでで誘導して、テーブルに来るようにしています。おやつ目当てで、おいでおいでに、ほぼ対応してくれます。

寝る時のキャリーに入れる時は、

毛布でくるむのはやめて、やはりおやつで誘導して腕に乗せたままキャリーの入り口に連れて行って自然に中に入るように促すか、テーブルの上にキャリーを持ってきて、自分から入るのを待ったりしています。

今の所、これにもあまり苦労しなくなりました。

毎日の放鳥タイム、本当にお互いストレスフリーになって、娘も楽しそうです。

先日は、わたしが飲み会で夜遅くに帰る日があり、放鳥タイムを主人と娘でやってくれた日があって、こんなこと→になっていました^^;

また、娘も腕に乗ってくれて↓、とても嬉しそうです。

おやつは、相変わらずパインのドライは大好きですが、頂いた茶色いお米のような?ペレット?(エンバクのこと)が、大好きで、パインと並ぶくらい好んで食べます。

もうひとついただいた、カラフルなペレット?(ズプリームフルーツブレンドのこと)は、少しずつ食べるようになってきたかな…という状況です。

毎日、餌入れをいくつかに分けて、ケージの中の何箇所かに分けて置いて、主食のエサのほかに、いただいた2種類のペレットや、粟の穂?をちょっとずつ混ぜたりして、「今日の給食何かな〜」って子供が楽しみにするように、ふわりにも、日々ちょっとずつ変えてあげています。

体重も計りました!

おやつでおいでおいでして、キッチンスケールに乗ってくれました。

そんな感じの一週間でした。

柴田さんとお会いする前の一週間とは、ガラリと変わった楽しい一週間で、本当に感謝しております。

長々と申し訳ありませんm(_ _)m

そして、本当に色々とありがとうございます。

引き続き、手に乗っておやつを食べる…という習慣が、お互い恐る恐るでなくできるようになるように、ゆっくり、楽しみながら続けていきたいと思います。

今後とも、どうぞよろしくお願いいまします。

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1週間で、鳥さんと飼い主さんの関係性が好転したのは、飼い主さんがきちんとルールを守って、鳥さんに伝わりやすい方法で接してくださった成果です。

また、現場に行って、一緒に教えてくださった東の事務局長のおかげだと確信しています。

私も現場にいて、ふわりちゃんとお会いしたかった…

今後も継続してご相談を希望していらっしゃるので、ふわりちゃんと飼い主さんがより楽しく暮らしてもらえるために、可能な範囲で、サポートしていけたらいいなと思っています。

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